中心性漿液性脈絡網膜症って何?
中心性漿液性脈絡網膜症(ちゅうしんせいしょうえきせいみゃくらくもうまくしょう)とは、網膜の黄斑部が水膨れを起こし、見え方に障害が出る病気です。
30~40歳代の働き盛りの男性がかかりやすく、再発しやすいのが特徴です。
中心性漿液性脈絡網膜症の症状は?
黄斑部が障害されるため、加齢黄斑変性症と同じような症状を引き起こします。
- 中心暗転:真ん中が暗く見える
- 変視症:ゆがんで見える
- 視力低下:見ようとするところが見えない。しかし0.5程度にとどまる
- 小視症:小さく見える
中心性漿液性脈絡網膜症の原因は?
働き盛りの男性に多いことからストレスや疲労が原因といわれていますが、ハッキリとしたことはまだわかっていません。
網膜の外側には脈絡膜という血管の豊富な組織があって、網膜に酸素や栄養を送り届けています。
この脈絡膜に接している部分を網膜色素上皮と呼んでいます。網膜色素上皮は栄養や酸素以外の不純物が網膜に流れ込まないよう、しっかりとバリアの役目を果たしています。
ところがこのバリアがうまく機能しないと、脈絡膜から漿液(しょうえき)という不純な水分が流れ込んで黄斑下に溜まり、その部分が網膜剥離を起こします。
網膜の視細胞には栄養が届かず、視力の最も鋭敏な黄斑が障害されるために、視力低下や変視症といった症状が現れるのです。
新生血管によって侵される滲出型の加齢黄斑変性症とよく似た発症のしかたです。
網膜色素上皮の機能低下の原因
網膜色素上皮のバリア機能が低下する原因は、網膜色素上皮そのものにあるのではなく、脈絡膜に集まっている血管の、血液の循環障害ではないかといわれています。
血液の流れが滞るのは眼に限らずカラダのあらゆる部位で起こります。その代表が動脈硬化や心筋梗塞です。流れの悪さのもととなっているのは活性酸素、すなわち酸化ストレスの増殖です。
過度なストレスや高脂肪食、運動不足などが重なると体内に酸化ストレスが充満し、血液をドロドロにして疾患を招きます。
中心性漿液性脈絡網膜症の発症は、働き盛りの男性のこうした生活習慣に起因していると考えられるのです。
中心性漿液性脈絡網膜症の治療は?
この病気は放置しておいても3か月から半年以内で自然に治る病気です。
しかし長引いたり再発を繰り返すと、視力が戻らない可能性があるためレーザー光凝固術で治療します。
ただし漿液の漏出が黄斑の中心窩に及んでいる場合はレーザー光凝固術をせずに、血液の流れを良くするお薬や、漿液のタンパク質を分解して早く水を引かせるお薬などが用いられます。
中心性漿液性脈絡網膜症の再発と加齢黄斑変性症
中心性漿液性脈絡網膜症が再発した場合、その症状は本当に中心性漿液性脈絡網膜症によるものなのか、それとも加齢黄斑変性症によるものなのか見極める必要があります。
症状は同じでも、漿液が溜まったものなのか、新生血管によって侵されたものなのか、根本が異なります。漿液なら自然に引くのを待てますが、新生血管なら早いうちに退縮させないと最終的に社会的失明を招くため積極的な治療が必要です。
特に50歳以上であるなら加齢黄斑変性症である可能性大です。
中心性漿液性脈絡網膜症を患った方で、再び同じような症状が現れたらまず、眼科を受診するよう心がけてください。
※ルテインと加齢黄斑変性症の関係
加齢黄斑変性症の有名な対策はルテインを摂るですが、
ルテインが加齢黄斑変性の防止に効果があるかどうかは分かっていません。
でも、そんなの待ってられないですよね。
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