加齢黄斑変性の診断は難しい
加齢黄斑変性症は社会の高齢化に伴い、ここ10年ほどで急速に拡がった新しい疾患です。
しかも、この病気が昔からメジャーな欧米とは異なり、日本人患者の多くが欧米人では少数派であるウエットタイプ(滲出型)。治療法が確立されたのもごく最近のことです。
さらに、似たような見えづらさを呈する黄斑部の疾患が他にもいくつかあるため、加齢黄斑変性症の診断には、蛍光造影検査など詳しい検査が不可欠です。
そのためか加齢黄斑変性症と正しく診断されるまで、心ならずも紆余曲折を経てしまったかたも。実は診断の難しい病気なのです。
診断に翻弄された例
ケース1:医師により診断が異なる
視界に歪みが生じた女性が大学病院を受診すると、網膜の黄斑部に薄い膜が張る「黄斑前膜」と診断されました。
黄斑前膜は膜の収縮により歪んだり見えにくくなったり視力が落ちたりと、加齢黄斑変性症と同じような症状を引き起こします。治療法は手術で黄斑前膜を除去すること。
この女性は前膜除去手術と、見えやすくするためにと勧められた眼内人口レンズの挿入手術を受けました。しかしその後、中心部から左にかけて見えなくなりました。
さらにもう片方の眼も発症し、同様の経過をたどった末、やはり中心部が見えにくくなりました。
女性は同病院の別の医師に受診を変えたり病院自体を変えたりしました。その間、診断名が担当医師により、黄斑前膜、加齢黄斑変性症、強度近視からくるもの、と変わっていったそうです。
違った診断がされれば同じ症状であっても治療方針は変わります。翻弄された挙句、結局視覚障害5級取得に至ってしまった女性の心情を思うと、何ともやりきれません。
ケース2:間違った診断
テレビに映った人物の唇が斜めに曲がっているように見えた女性が、評判の眼科医院を受診したところ乱視と診断され、白内障の手術をすれば治るといわれました。
その女性はインターネットで加齢黄斑変性症の知識を得ていたため、大学病院への紹介状を求めましたが拒否され、乱視と確定されました。
不審に思った女性はその後、別の眼科を受診。加齢黄斑変性症と診断され大学病院を紹介されましたが、あいにく年末年始の休診にぶつり、早期発見だったにもかかわらず治療開始がかなり遅れてしまいました。
最初に受診した眼科医院の診断が間違いであったのが悔やまれます。
よりよい未来のために私たちができること
病院を受診して医師が提示した治療から良好な結果が得られれば良いのですが、もしそうでなかったら私たちはどうすればいいのでしょうか?
セカンドオピニオンを持つ
治療方針に疑問を感じたり治療結果が芳しくないと、私たちは不安を抱き、医療者に不信感を覚えますよね。
そんな時の解消法のひとつにセカンドピニオンがあります。
今診てもらっている先生に義理立てして遠慮する必要はありません。
ネットで治療実績の多い病院を調べたり、製薬会社運営サイトの病院検索を使って見つけすことができます。
大きな病院では患者相談窓口を設けているところもありますから、ためらわずセカンドピニオンについて相談するといいでしょう。
それでも必ずしもゼッタイとはいえません。6か所も病院を変わってやっと有効な治療にたどり着いた患者もいるほど。
諦めず腐らずトライしてみてください。
※ルテインと加齢黄斑変性症の関係
加齢黄斑変性症の有名な対策はルテインを摂るですが、
ルテインが加齢黄斑変性の防止に効果があるかどうかは分かっていません。
でも、そんなの待ってられないですよね。
早め、早めに手を打ちたい方はここから手に入ります。