ロービジョンケアって何?
治療をしても元通りに回復しないこともあります。それでも残された視機能を最大限有効に用いて、病気によって低下した生活の質(QOL)を少しでも上げていこうというのがロービジョンケアの考え方です。補助具を使ったり機能訓練を行うなど様々な方法があります。
医療者だけでなく福祉の専門家も加わり、日常生活のさまざまなシーンで感じる不自由さを少しでも改善できるようケアがなされます。
加齢黄斑変性症に対するロービジョンケアにはどんなのがあるのか?
- 中心外固視の訓練
- 拡大鏡
- 罫線スリット(タイポスコープ)
- 遮光眼鏡
加齢黄班変性症は網膜の中心部の最も視力が出る黄斑が障害される病気ですから、視野の真ん中の最も見たいところが見えません。しかしその周りは見えます。
障害を受けた中心部は視力が低下していても、そこからちょっと外側にずれた網膜は機能しているからです。
この残った外側の機能を活かしてモノを見るのが中心外固視の方法です。
見たいものをうんと拡大すれば中心部の暗点は相対的に小さくなるためよく見えるようになります。その補助具として、拡大鏡、単眼鏡などがあり、倍率が高いほどよく見えますが、見える範囲が狭くなります。
本や新聞を読むには卓上型の拡大鏡や光ファイバールーペなどを使います。最近は照明内蔵型も多く出ています。外出用に携帯型タイプの需要も多いです。
単眼鏡は遠くを見る時に使います。
また拡大読書器といって、文字を読むための機器もあります。カメラがとらえた部分をモニターに拡大して映し出す装置で、テレビやパソコンの画面に文字が映し出されるものや、外出先でも使える携帯用拡大読書器もあります。
本を読むときに使んだり、はがきに文字を書いたりするときに使う便利グッズです。スリットの入った黒い厚紙をページにのせれば、読みたい行だけがスリットに入るのでムリなく読めます。シンプルな装置なので段ボールで自作する人もいます。
加齢黄斑変性症はブルーライトによるダメージが原因ともいわれています。黄色いレンズが可視光線の中の青色光(ブルーライト)をカットする遮光眼鏡も有効です。
積極的に情報入手を
「新聞や本は読めないのに、部屋に落ちている糸くずは見える」
加齢黄斑変性症のかたの言葉です。見たいものだけが見えない苦しみは、家族といえどなかなか理解されず、誤解されることも多いといいます。
加えて患者の多くが高齢者です。元通りにならないからとすっかり諦め、閉じ困ってしまうかたもいます。せっかく正常な機能が残っているのですから、できるだけ活用したいですよね。
ロービジョンケアについてはインターネットに情報が載っています。できるだけ積極的に入手してください。デジタル環境がないかたは眼科医に相談を。なんらかの示唆があるはずです。
※ルテインと加齢黄斑変性症の関係
加齢黄斑変性症の有名な対策はルテインを摂るですが、
ルテインが加齢黄斑変性の防止に効果があるかどうかは分かっていません。
でも、そんなの待ってられないですよね。
早め、早めに手を打ちたい方はここから手に入ります。