欧米人と日本人の病態の違い
加齢黄斑変性症は治療をしても現状維持か、見え方が改善される程度です。原因の一つとして治療薬のほとんどが欧米製ということが考えられます。
加齢黄斑変性症は欧米人に多い病気ですが、白人の眼はもともと日光に対して弱いんですね。一方、日本をはじめアジア人にも近年、患者が増えてきています。
高齢化が進むとともに食べものが欧化したこととデジタル機器の普及で光線刺激が増えたことなどが考えられます。
しかし、同じ病気ではあっても欧米人と日本人とでは病態が異なります。
欧米人は黄斑が萎縮するドライ型(萎縮型)がほとんどであるのに対し、日本人ではウエット型(滲出型)が多いです。新生血管がつぶれたり水分がにじんだりするタイプです。
しかし日本で使われている主な治療薬のすべてが欧米製です。当然、その効果は欧米人と日本人とでは異なるのものです。
加齢黄斑変性症のアジア人特有の遺伝子を発見
日本人の眼に合った薬の開発が待たれる折、朗報が飛び込んできました。
2015年、日本の京都大学とシンガポール国立大学、香港中文大学、ソウル国立大学が共同研究した結果、加齢黄斑変性症におけるアジア人特有の遺伝子変異が発見されました。
コレステリルエステル転送タンパク遺伝子(CETP遺伝子)というものが変異(アミノ酸機能を失う)すると、血液中のHDLコレステロール値が上昇することがわかりました。
これが何を意味するかはまだよく解明されていませんが、この現象は欧米人にはみられない、アジア人に特有のものなんだそうです。
この遺伝子の変異が、アジア人に多い滲出型の出現に関与している可能性があるのではないかといわれています。
今後HDLコレステロールと滲出型加齢黄班変性症との関係についてさらに研究が深まれば、画期的な滲出型に合った新薬開発につながるかもしれません。
ips細胞を使った手術が一般的な臨床現場に普及するようになるには、まだまだあと10年以上はかかるといわれています。
それよりも早く、アジア人の滲出型に特化した新薬の登場に期待したいですね。
※眼科医が試そうと思っているルテインの秘密とは?
加齢黄斑変性症の有名な対策はルテインを摂るですが、
ルテインが加齢黄斑変性の防止に効果があるかどうかは分かっていません。
でも、そんなの待ってられないですよね。
早め、早めに手を打ちたい方はここから手に入ります。